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第5章 揺らぐことのない思いを

(櫻井side)

二宮くんと出会ってからもう2週間が経った。

特に発展もなく『お隣さん』の関係を築いている。

ニ「櫻井さーん。ゲーム貸してくださーい!」

変わったことといえば、二宮くんがよく俺の家にあがるようになった。

まぁ…目的は主にゲームなのだが…。

「はーい、開いてるからあがってって」
ニ「お邪魔しまーす」

バタバタと、玄関から音がする。

ニ「あっ」
「ん?どうした?」
ニ「櫻井さんの靴、踏んじゃった♪」

楽しそうに笑った。

「笑い事じゃねぇだろ」
ニ「くふふ。あ、ゲーム借ります」

結局、二宮くんにあの日の涙の真相を聞くことができなかった。

ニ「あれ?ゲーム、増えました?」
「あー…うん。貰い物」

ってのは、嘘で実は二宮くんの為に買った。
二宮くんが欲しいって言ってたゲームだからね。

ニ「わーい、ありがとう!櫻井さん」

キラキラと目を輝かせた。

あの日以来、
二宮くんは俺の前では弱さを見せない。

このアパートは隣の家との壁が薄いから聞こえちゃうんだよ。

声を抑えるのに必死になりがら、
泣いている二宮くんの声が。

俺に…頼ればいいのに。

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