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第5章 揺らぐことのない思いを

(二宮side)

俺は、この気持ちをいつ明かせばいいんだろうか。

どうすれば、翔くんに近づけるかなんて百も承知なのに…。

気持ちばかりが、焦っている。

櫻「に、二宮くん!」

玄関で靴を履いていると、翔くんに止められた。

「どうしました?」
櫻「いや…その…」

翔くんが、一瞬だけうつむいて真剣な顔をした。

櫻「いつでも、来ていいから。」
「へ?」
櫻「だから…もっと俺を頼れ」

翔くんの顔は、見たことないぐらい真剣な顔で…。

櫻「な?」
「は…はいッ」

声が裏返った。

櫻「いいお返事で」

翔くんが、頭を撫でてくれた。

櫻「じゃ、ゲーム楽しんで」

それだけ言うと、リビンクに戻って行ってしまった。

……なんでそんなにカッコいいこと言うのかな。

「お邪魔しました」

俺は、翔くんの家を出た。

そして、ドアにもたれ掛かり
夜にも関わらず、明るいオレンジ色の空にむかい呟く。


「翔くん…好きっ…」


どこにも行き場のない気持ちを
空にぶつけた。

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