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第9章 身の程知らず

(二宮side)

櫻「二宮くん、ただいまー」
「あ、おかえりなさい」

翔くんが帰ってきた。

「お風呂、先に入ります?」
櫻「うーん…ご飯先がいい」
「わかりました。座っててく…」

背中を翔くんに向けると、俺を抱き締めた。

「櫻井さん?」
櫻「ん?」
「どうしました?」
櫻「可愛いと思って」
「え?」
櫻「そんな理由じゃ、やだ?」
「嫌なわけ…な」

あごをグイッとひかれる。

櫻「キス、していい?」
「は、はい」
櫻「二宮くん」
「はい?」
櫻「……好き」

少しだけ辛そうな顔をして、俺にキスをした。

その辛そうな顔の理由が、何かは俺には聞けなかったし分からなかった。

「んっ…ぁ、っ…」
櫻「二宮くんを食べるって選択肢はないの?」
「ないです!」

きっと今の話も俺は、顔が真っ赤だ。

櫻「照れちゃった?」
「…はい」

顔を両手で覆った。
覆った手の指の隙間から、翔くんの顔を見てみた。

翔くんは、少し辛そうな顔をしてた。

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