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第12章 無限の扉

(二宮side)

「いってきます」
櫻「いってらっしゃい」

……翔くんが抱きついたまま離れない。

「行きたいんだけど…」
櫻「俺も行きたい」
「ダメだよ!俺の仕事なんだから翔くんが付いてきてどうするの!」
櫻「二宮くんをずっと見てる」
「ストーカーじゃん!」

こんなやり取りが幸せなんだ。

櫻「えー、じゃあキスしてよ」
「えー」
櫻「マジで嫌そうな顔すんな」
「しょうがないなぁ…」

俺は翔くんの腕を引いて、少しだけ背伸びをして翔くんにキスをした。

唇が触れるぐらいの軽いキス。

「はい。いってきま…あっ…んん…」

案の定、深いキスをされた。

「んはぁ、ダメ……遅れ、んぁ…」

なかなかやめてくれない。
嬉しいけど、マジで遅刻する。

櫻「んはっ…終わり♪」

『終わり♪』
じゃないよ!

「もぅ…いってきます!」
櫻「いってらっしゃい」

俺の頭を撫でた。

「翔くん」
櫻「ん?」
「好き」
櫻「うん、俺も好き」
「くふふ、いってきます」

俺は、何度目かの『いってきます』を言って家を出た。

バイト先に向かうために、ね。

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