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元風嬢、でも良いじゃない。

第2章 新。

『最初は大変かもしれないけど、すぐなれますよ、大丈夫。』

私の教育係りのバンドマン(野村さん)は言った。

野村さんは凄く優しいかっこいいお兄さん。最初の1,2週間は、彼につきっきり。隣でひたすら返信。何かあると優しく注意してくれて、段々なんとなーく慣れていった。




野村さんがお休みの日は、別のバンドマン(サトシさん)が教えてくれた。


野村さんと真逆の雰囲気のサトシさん。死んだ魚のような眼をした彼は、いつも無表情で、声が低いのも手伝って、とても近づきがたい人間だった。しかもいつも敬語。私にだけ。でも、能力を買ってくれていて、新しいことをどんどん教えてくれた。






あたふたと過ぎていた日々も、段々余裕が出てきた。



働く時間も少しずつ伸ばしていった。





するとある日、今まで考えてもいなかったことがどんどん頭に浮かんできた。

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