
私 と 僕俺
第9章 17年待った初彼②
小澤くんだ。
「こ、こ こんばんは」
『葎花先輩の声聞きたくなって』
ふええぇーーー!
さっきの出来事が蘇るーー!
「な、何用でしょうか!?」
『何用て。笑
単純に声が聞きたくなりました』
…本気で言ってるのか?
『…疑いました?』
あ ばれた。鋭いな。
「そりゃ、小澤くんみたいに
素敵な人なら、その、あの…」
『僕、そんな素敵な人じゃないし』
「いや、でも私に興味を持つって
すごく私的には申し訳なく…」
『あそこまでやっても
申し訳なくなります?』
あそこまで
…っていうのは、きっとキスだよね。
「だからその、あれは…?」
『なんなら思い出させてあげますよ』
