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同窓生

第16章 恋しくて……

一番気になっていたのは敦のことだった。

それが清算されれば問題はなかった。

「……こんなバカな私のこと、見ててくれて、守ってくれて、ありがとう。お試しなんかじゃなくて……ちゃんと、お付き合いさせてください。」

少し俯いて、照れながら、上目遣いで微笑んだ。

「こちらこそ!よろしくな。」

昌の爽やかな笑顔がますます温かみを増した。

「昌くん……私のこと……」

一つ、夏海には夢があった。

小さな。

「名前で呼んでくれないかな?」

でも、相手にとっては、大きな夢かもしれない。

「えっと……うーんと……ナツ……で、どう?」

試行錯誤した結果を伝える。

「新鮮!ありがとう!嬉しいッ!」

家族には[なっちゃん]、学校では、[夏海ちゃん]としか呼ばれないから、夏海にとって[ナツ]は新鮮だった。

昌なりに誰にも呼ばれたことのない呼び方を一生懸命考えた。

二人のペースで少しずつ階段を上り始めた。

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