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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


俺はため息をついて客の女の酒を作る


「なんだよ、その下らねぇ理由。魔法使いかよ」
「さぁ?そうなんじゃない?知らない」
「でもみんな口を揃えて言うのよね〜『エリカは甘え上手』」


「ふぅん」と適当に返してソファの背もたれに寄りかかると、黒服がやってきた


「流星さん、ご指名です」
「あぁ。ご馳走さん」


俺が立ち上がると、女共が「あ〜ん短い〜」だの「嫌だ嫌だ連続指名するぅ」だの言っている

だがその顔が本当に別れを惜しんでのものではなく面白がっているところにほっと息を吐いた


うっせぇしスキンシップ多いしクソだるい客だが、こういう娯楽として楽しんでく客は好きだな


「また指名よろしく」


俺が前髪の上からキスをすると再び奇声を上げた



次の席に俺が着くと、悠史がすでに座っていた

久しぶりの双子使命だったみたいだ


「あ、来たわ」
「双子揃ったね?」


二人組の客に挨拶をして席に座ると、悠史が俺を見た


エリカの対応終わったんだな


ーーおつかれ

ーーうん


なんか、様子がおかしい


「でさぁ、聖夜。仕事中にその上司がねーー」
「そうなんですか。それは、災難でしたね」

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