
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
瞼の中に鉛でも入っているのかと思うくらい瞼が重くて開かない
薬で眠らされたせいかな
身体もだるいし、上手く動かない
どうせエリカさんの仕業だから急いだり焦ったりしたところで特に何もないだろう、と浅い考えで時間をかけて身体を覚醒させる
ようやく開いた視界に映ったのは自分が横たわってるシーツと、床に置いてある1脚の椅子だけ
首が動くようになって見回してみるけどそれ以外のものはこの部屋にはないようだった
睡眠薬を盛ってまで眠らせたんだから、当然意味があるだろうと思っていたその時
「!」
薬の副作用か一瞬刺すような頭痛に襲われ、顔をしかめる
その拍子に反射的に動いた手が頭に添えられるはずだったんだけど
その手がやけに重くて
さらに動かすと耳障りな音がなった
見れば僕の右手には革製のベルトで出来た手枷のようなものがはめられ、さらにそこから伸びた鎖でベッドに繋がれていた
なにこれ
僕をここから出さない、ってこと?
革と皮膚が擦れて傷つくのを気遣ってくれたのか間にわざわざ薄手のタオルのようなものが挟まっているが、それでも全く外れる気配はない
こんなことしなくたって僕がここから逃げられないことくらいわかってるはずなのに
