
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
そう言うとエリカさんは縛られている僕の手首を思い切り引っ張って、ベッドヘッドにいつの間にかついていたらしい金具に固定した
さらに今まで何もついていなかったもう片手にも手枷をつけようとする
「ちょ……っ」
僕が抵抗しようとすると、エリカさんが顔を上げる
「……」
その顔が、今にも泣き出しそうな顔をしていて
思わず力が緩んでしまった
そして、両手とも拘束される
今まで長い鎖のお陰でほとんど自由だった僕の両手が使えなくなってしまった
それでも、そんなことよりさっき泣きそうな顔をしていたエリカさんの方が僕には心配で、僕は僕のお腹の上に跨って座ったエリカさんに出来る限り優しい声色で話しかける
「エリカさん?何か辛いことがあったんですか?」
「……」
困ったな
どうしたんだろう
さっきより、震えが大きくなってる気がす
僕の考えを中断させたのは、震えるエリカさんから漏れ聞こえた声だった
「……ふ……っ」
「!」
やっぱり泣いてる?
どうしよう
「エリカさん?」
「……っふ……ふ……」
違う
これ
「……っふふふふっ……ふ、ふふふ……」
笑ってる
