
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
「だって悠史、こんなに自由にしてあげてるのに私のこと襲ってくれないんだもん」
「焦れちゃった」とエリカさんは僕の胸に頭を寄せてくる
「……妊婦さんに、手荒な真似をしてはいけないと思ったので……」
僕はここ数日でそこそこ気にしてはいたことを伝えた
一応妊娠してるって言ってたし
身体は大事にしなきゃいけないでしょ
それにそもそも襲うなんて、出来るような人間じゃない
襲う気もないんだけど
色々な考えを巡らせている僕に、エリカさんが突然キスをしてきた
「……ん、……」
大胆に口付けられて一瞬舌を強く吸われた後、口はすぐに解放される
けど
「あぁ……ん、もう……悠史……可愛い……」
「!」
エリカさんからの行為はキスだけじゃなかった
エリカさんは僕の上で腰を振って
女性の敏感なところを僕に擦り付けていた
何、して……っ
焦った拍子に動いた手がガチャン、と鎖を鳴らす
だけと僕が最も衝撃を受けたのはエリカさんの行為よりも次のエリカさんの言葉だった
「悠史、かわい……っ、ん……あんな……嘘、間に受けて……っあん……」
え…………
嘘、って……
「妊娠……ん、なんて……あ、ぁ……して、な……っのよ……」
妊娠なんて、してない……?
