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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


そしてそこに書いてある文字に目を見張った


『!?』
『ね?逃げられないでしょう?』


記事には『熱愛発覚!?お相手はなんと男!!有名小説家が実はゲイだった!』と大きな文字で書いてある

しかもその有名小説家と言うのが


千秋さん……


激写、とばかりに部屋の中で僕達がキスしている写真までもが目元に黒い線が入った状態で掲載されていた

記事の内容を見れば小説家の名前を隠す気もなく具体的に書いている


『ふふふ……』


不敵な笑みを浮かべるエリカさんに説明を求めるように視線を向けると、勝ちを完全に確信したらしいエリカさんが微笑みながら説明してくれた


『私の家の財力はね、そこらへんの女じゃ到底敵わないほどのものなのよ?だから探偵を何人も雇って身の上調査をすることも、写真を撮ってもらうことも簡単なの』
『……』
『だから私は悠史のことはなーんでも知ってるわ。悠史のことも、敦史のことも……それに、千秋のことも、全部ね?』


盲点だった、なんて言い訳だ
前に千秋さんが脅された内容からすればありえないことじゃなかったんだから

僕達が仕事を出来ないようにするぞ、と脅されたってことはもちろん逆もありえる
それを考えてなかったわけじゃない

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