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「そんなっ……どっちの方が好きとか、そんなこと……あるわけないのに……っ！！」


涙の滲む目で必死になって訴える


だって……だって！！
そんなことって！！！


「2人とも僕にとってかけがえのない人に決まってるじゃないですか！！！」
「千秋……」
「千秋さん……」


悠史さんが僕の隣に来て、僕を抱き締めてくれる


涙が止まらない

僕は目が溶けるんじゃないかってくらい泣きじゃくりながら心の中では「あぁ、そうか」って納得していた


そっか
1人じゃダメなんだ

不満そうな顔なんてしてないって思ったけど

半分と半分
悠史さんと敦史さん

2人いないと物足りない
2人じゃないと、満足できない


「……っ、う……ぇぇ、ぇ……」
「千秋さん、泣かないでください」


さっきより強く抱きしめてくれた悠史さんに、僕も強く抱きつく

けど、立ったままの敦史さんはさっきから何も言わず動かないままだった

そして敦史さんは


「俺は、千秋に愛してもらえるような人間じゃねぇ。あんなことして、千秋の優しさで全部許してもらおうなんて虫が良すぎる」


と言って俯いた


「敦史……」
「敦史さ……！？」


僕が敦史さんに何て言葉をかけよう、なんて考えて
とにかく今にも消えてしまいそうな敦史さんを繋ぎ止めなきゃ、って名前を呼んだ

その時