
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
「僕……何、か……しましたか……?」
寝ている間?
それとも全く別の何かかな
どうして
ツキン、と頭が痛んで目に涙が滲む
それを見ていた悠史さんと敦史さんは焦って弁解した
「違うんです。千秋さんは何も悪くなくて……あの、今回のことで」
「?」
「だから、許してほしい。俺たちはただ……わからなくなっただけなんだ」
わからなくなった?
何が?
「千秋さんの目が覚めるまで、僕達2人で話し合っていたんです。その……千秋さんが、僕と敦史どちらのことが好きなのかって」
「え?」
何、それ
悠史さんの口から出た言葉に愕然とする
僕が敦史さんと悠史さんどちらの方が好きか?
なんでそんな
「悠史がいなくなった時、千秋異常に落ち込んだろ。それが俺のことなんか、目に入っていないみたい見えて、俺は千秋は悠史が好きなんだと思ってた」
「僕は逆に、敦史がいなくなった時には千秋さんは僕を見ていないように感じたんです。それ以前にも、敦史といる方が楽しそうに見えた時があって……」
2人は言い訳をする子供のように僕の前に正座して床を見つめながら話す
けど僕にはそんな2人の可愛らしい状況を楽しんでいる余裕なんてない
