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陽だまりの家

第6章 温かな存在

伊代ーー.............

彼女の事は、

1年の頃よく廊下等ですれ違っていたので

目にした事はあった

髪色が綺麗で羨ましく思っていた


2年生になって、同じクラスになり

お互い種類の違うグループにいたので

特に話す機会もなく

ただ、日常を過ごしていた


一時期、彼女の欠席が続いた時があった

その事に関しては

彼女と仲良くなってから知った


修学旅行から帰って来てからは

あっという間に距離が縮まり

よく行動を共にする様になった


グループの中では、

おそらく1番性格が落ち着いていて

一緒に居ると1番、楽だった

でも、その頃の私は

友達関係で散々な目にあったばかりだったので

少しだけ臆病になっていた


そんな時に伊代と遊びに行く事になった

その日のお昼を

適当に、ファーストフード店で済ませながら

色々と話をした

「私、穂乃花の事親友だと思ってるんだけど‥‥‥‥いい?」

急に、遠慮がちに言い出した彼女


その瞬間、

私は泣きそうになった


今まで、親友らしき存在は沢山居た

でも

その度に、裏切られ続け

高校生になって、

この子だけには裏切られたくないし

絶対に裏切らないと思っていたのに

修学旅行直前の様な状態になり


また1人になった


そんな、

誰も信じられない様な状態になった私に

心を開くチャンスをくれた

私と言う存在を初めて、向かい合って見てくれた

(もう一度、信じてみてもいいのだろうか‥‥?)

そう思わせてくれた


大袈裟かもしれない

彼女にとっては、些細な事だったかもしれない

重たいかもしれない

それでも、

彼女は私にとって

大事な事を思い出させてくれた

大事な存在

その言葉一言で

私は救われた

そのおかげで今の私がある


彼女は言った

「穂乃花がどんな事をしていても、したとしても絶対に友達を辞めたりなんてしない」

どれ程嬉しかったか


彼女の、私には言えない様な事を

はっきりと言う

そんな所をとても尊敬している


この先、

彼女が悩み、苦しんでいたら

一緒に悩んで

彼女にとっての救いになる様な一言を

言ってあげられたら良いなと思っている











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