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missing☆ring【完】

第8章 愛しの君へ。

死にたくない。
死にたくない。
まだ死にたくない。
裕実を残して死にたくない。
裕実に伝えず死にたくない。



溢れ落ちる死への恐怖とまた裕実への想い。



けど、どうすることも出来ない。
自分が受け入れても、受け入れなくても、先は決まっている。



俺は誰かに何かを残せたのだろうか?
俺は誰かの想いに残るのだろうか?



出来るなら、その誰かが裕実であって欲しい。



こんなことを書いたら裕実は怒るだろうか?
裕実の怒った顔を思い出し笑みが漏れる。
裕実を想えば胸は苦しくなるけど、温かくもなる。
まだ生きているんだと思えた。




裕実を想うことが、今……
俺が生きていると言う証。




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