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missing☆ring【完】

第8章 愛しの君へ。

一つ一つの想い出を確かめるように、たくさんの"ごめん"を書いた。



裕実は覚えているだろうか。
一つ一つの"ごめん"に裕実は何と言ってくれるだろうか。



その返事を俺が聞くことは出来ない。
だけど、もし裕実とまた同じ景色を見ることが出来た時はその返事を聴かせて欲しい。



『陸』とまた名前を呼んで欲しい。
大きな瞳を優しく細め、艶やかな唇から『陸』とまた呼んで欲しい。










「裕実」









呟くように彼女の名前を口にした。
ポタポタと瞳から涙が零れる。
裕実への想いも一緒に零れ落ち、無くなってしまえば良いのに。



そうすれば、こんな想いをせずにすんだのに。



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