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missing☆ring【完】

第3章 4年前。

陸との距離は前より近い。
近い分息苦しくも感じる。


手を伸ばせば陸に触れることは出来る。
でも、その伸ばした手を陸が握り返すようなことはない。





「陸」と呼べば「何?」と無条件で笑顔をくれる。
「好き」そう言えば……陸は何て答える?



薄い唇を大きく開けて笑って冗談にしちゃう?
切れ長の瞳を揺らし「ごめん」と真剣に言葉を紡ぐ?



陸は優しいからきっと優しく微笑んで答えないんだろうね。












神様って居るんだね。
そんなことを考えていたから、私を陸から離しちゃんと考える距離を作ってくれたんだね。



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