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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

陸と出店を見て、ヨーヨー釣りもして、後数分で花火が上がる。



花火が上がる前に言おうか、
花火が終わってから言おうか、
そればかり考えていた。



バーンと大きな音が聞こえて、陸と私の周りに色鮮やかな光が降ってきた。



「おっ、始まったな」



陸が空を見つめた。
私は陸の隣で空と陸を見つめた。



「綺麗だな」



陸が私に視線を向けて優しく笑う。
花火の光が陸に降り注ぐ。



これから先……
陸の元にこの花火の光のように、キラキラとした素敵なものが降り注ぎますように。



そんなことを願っていた。
私じゃキラキラしたものを、陸に降り注ぐことは出来ない。
だからせめて、願うことしか出来ない。



「裕実?」


「ん?んっ。綺麗だね」



私も陸と一緒に花火が光る空を見上げた。



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