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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

食べていたパンを置き、左手の指であの日の陸のように欠けている輪を作って、そこから陸を見つめた。




「ん? missing ring?」


「そう」


「それが避ける理由?」




私は指を戻して「そんな感じ……かな」と言葉を濁した。



「ちゃんと説明しないと分からないんだけど」



陸は納得してないような顔を見せる。



「裕実」



陸には珍しく答えを求めてくる。



もう、無理なのかもしれない。




「ごめん。陸」


「……裕実。何にごめん?」



陸の優しい声が私の胸を締め付ける。



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