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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

私はうすく笑いながら「陸の想いには答えられないから」



「俺の想い?」



私は自分の膝の上でまた指先でmissing ringを作る。



「贅沢な関係……」



呟くと陸の瞳が一瞬揺れた。



「辛いから……」



私は初めて本音を口にした。



「辛い?」


私は頷いた。
そしてまた「ごめん」と陸に言った言葉と同時に涙が零れた。



「裕実……」



そう呼ばれても私はもう陸を見つめることは出来ない。



無条件で笑えていた頃の私は居ない。



贅沢な関係より、
カレカノになって、もし別れたとしても、私と陸なら他人なんかならない。



そこからが本当の意味で贅沢な関係になるんじゃないかって、ずっと考えていた。



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