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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

「俺、来月から東京」


「……うん。知ってる」




知ってるよ。
東京の花の専門学校だもんね。



「そっか。裕実は地元?」


「地元。超近いよ」


「そっか……裕実」


「ん?」



陸は指先でmissing ringを作り「見つかった?」と聞いてくる。



私はうすく笑い「まだ」と首を振って「陸は?」と陸を見つめた。



陸が薄い唇を上げ「俺も」と笑ってくれた。


それも知ってる。
あれから陸は何時も一人だった。
だから、陸を見付けるのは簡単だった。




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