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missing☆ring【完】

第5章 1年前。

就職をして2年。
独り暮らしを始め、仕事にも慣れた。
周りの環境が変わったことにも慣れた。



人は生きて行く為に順応して行く力を持っているらしい。



「裕実、林場さんと別れたんだって?」


「はやっ」


「何で? 何で? 良い男だったじゃん」


「ん……何となくね」


「何となく?それで別れたの?林場さん可哀想じゃん」





同僚の春子の言葉に何も言えなかった。



林場さんは2才年上で、春子の高校の先輩。
半年前、春子と飲んでいるお店にたまたま来ていて、同席してそれで何となく。



背は高くてブラウンに染めた短い髪を立てていて、くりっとした瞳で私をいつも優しく見ていてくれた。






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