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missing☆ring【完】

第5章 1年前。

私だって良く分からない。



林場さんは優しいし、ノリだって良い。
好きだって言われた時は、
付き合って欲しいと言われた時は、
嬉しかった。
だから、付き合った訳だし……。




だけど、付き合って半年が過ぎても嬉しい気持ち以上にはなれなかった。
好きにはなれなかった。



「裕実は何時もそれなんだから、そんなんじゃ、彼氏出来ないよ」


「……かもね」





春子に痛いところを疲れた。
私は春子から逃げるように「じゃあ、お先に!お疲れ」と休憩室を出た。




街はクリスマス一色。
クリスマス前に別れたのが申し訳ないけど、これ以上は林場さんの隣に居ることは出来なかった。




「さむっ」マフラーに顔を埋めて、久しぶりに会う綾子の待つお店へ急いだ。




お店に入り綾子を探すと、窓側の一番奥で携帯を弄っている綾子を見付けた。





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