テキストサイズ

missing☆ring【完】

第2章 プロローグ

綾子は誰に聞いたのか陸が亡くなるまでの過程を教えてくれた。



それに何て答えたか覚えていない。
ただ、陸と最期にいつあったのか、
最期に何の話をしたか、
最期に『裕実』とどんな顔で笑っていたのか、



記憶を想い出そうと、全細胞を集中させていた。
だけど喉が渇き、クラクラと目眩がする。



遠くに記憶を持って行かれそうになるのを「裕実。大丈夫」と言う綾子の声に現実とかろうじで繋がっていた。




「明日通夜で、明後日告別式だって」


「……そう、なんだ」


「大丈夫?行くなら明日迎えに行こうか?」


「大丈夫」



半ば強引に綾子との電話を切った。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ