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missing☆ring【完】

第6章 最期の時。

「裕実」



綾子が小さく私を呼ぶ。
綾子の方に視線を向けると、白いハンカチを目頭に当て俯く雅美。
その雅美の肩を抱きしめる小林。
空を見上げてタバコを吸う典幸。




「綾子……」




私は綾子達に近付くと「来ないかと思ったよ」と綾子が呟く。



「……うん。ごめん」


「私達はもう行って来たから」とセレモニーホールの入り口へ視線を向けた。



「裕実も陸に会っておいでよ」



足がすくむ。
一歩が出ない。
喪服を着て此処まで来たけど、まだ良く理解出来ない。




理解出来ないんじゃなくて、
心が……
気持ちが……
陸が死んだと言うことを受け入れることが出来ない。



「裕実」と綾子が優しく私の背中を押す。
私は綾子を見てからその先を見つめた。



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