甘い罠
第1章 新学期
なんでこんなにも張り切っているかというと、
今年こそは絶対に彼氏がほしい!!
という切な願望からである。
私は元々男の子の前だと恥ずかしく、すぐ頬が赤くなってしまうので今まで彼氏はおろか仲のいい男友達でさえいたことがないのだ。
奈緒ちゃんは、
「樹里が彼氏なんて作った日には学年中の男子が泣くわよ」
なんて言うけれど、お世辞だってわかってる。
だって、告白されることはあっても全員断るとすぐに去って行ってしまうのだ。
押しに弱い私にとってそれはありがたくもあるが、さみしくもある。
本当に私のこと好きなわけではないんだろうなって思ってしまう。
仲間うちで地味な私に告白してからかうのが面白いんだろう。