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暗闇で恋しましょう

第14章 月明かりに照らされて

その表情、月明かりに照らされても、私の距離からじゃ読み取れなくて。


何か、考え込んでいるような……


はたまた、寝ているのか。


どちらにせよ、あの体勢、辛くないのか、とかいろんなことが頭をぐるぐる回る。


でも、最終的に辿り着いたのは、水上さんがここにいるという事実。


きっと、ずっとここにいてくれた。


その優しさがまた、私を暖かくする。



………きゅっ……



ありがとう、その意を伝えたくて、手を握り返してみる。


ハッとしたように水上さんは顔を上げ、私を見た。


その表情、月明かりだけじゃ、やっぱりはっきりしないけど、なんだか………



「………泣いてた……?」



泣いてるみたいに悲しそうで。

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