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暗闇で恋しましょう

第26章 この感情の名前は

この話題は祥人にとっては地雷中の地雷だった。


これは早めに本題に移るのが吉と見た。


少々躊躇うが、仕方ない。



「…………その、時、に、その………なんつーか、杏の顔、が近くなる場面があって……」

「……………」

「……………」



どうにも柄にもなく、恥ずかしいという思いが前面に出て、それ以上は言葉にならず。


横からは“なに?”と苛立ちが伝わってくる。


しかし、やがてそれは消え、次には全貌が見えたらしく祥人はポツリと呟いた。



「……………え?もしかしてだけど、赤面したの?」

「……………」

「杏ちゃんじゃなくて、飛翠が?」

「……………」

「おい!答えろよ!」

「そうだよ!!」



何故か熱い顔を祥人に向け、キッと睨む。

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