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暗闇で恋しましょう

第26章 この感情の名前は

睨みなんて精一杯の照れ隠しみたいで、それもまた俺を羞恥に誘う。


そんな俺は露知らず。


祥人はぶつぶつ独り言を呟いている。



「えぇ……煙草吸ってないのめっずらしいな、とは思ったけどさ。いつ気付くんだろーって思ってはいたけど。あ、気付いてはないのか?でも、えぇ、そう。そっかぁ…………」



俺は何のことか分からず、そのまま無言で祥人を待つ。


暫くして、祥人の中で状況整理ができたらしく、俺に体を向き直した。


そして、その顔には満面の笑み。



「は?何その笑み。怖いんだが……」

「失礼だなぁ。俺は親友の新たな一歩を祝してやろうってのに」

「????」



本当に訳が分からない。

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