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暗闇で恋しましょう

第26章 この感情の名前は

今の数分で頭でも湧いたのだろうか。



「まあ、なんだ。この先の事考えると諸々大変だろうけど、俺は見捨てないし、ずっと寄り添う所存だし。明るくいこーぜ」



片手は俺の肩に、もう片手は親指を立て俺に突き出す祥人。


なんなんだ。その青春よろしくな感じ。



30代男2人にはキツすぎるだろ……



夥しい数のサブイボが俺を襲うではないか。


その空気を壊すべく、俺は肩に置かれている手をやんわりとどけた。



「…………」

「…………」



祥人の顔が少し切なそうに歪む。



なんだその顔は

俺の心が変に痛むからやめろ



この変な空気、如何にして変えるべきか。


そういえば、この空気になる前、祥人はなにかに勝手に納得していたような。


何に、納得したのだろうか。

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