テキストサイズ

暗闇で恋しましょう

第7章 酔っぱらいの戯言(=本音)

非情にも私の身体は、私に不快感を与えた彼に快感を求めている。



だって、もう、限界……っ



だけど、自分からは言いたくない。


言いたくない、けど!


身体は正直で。


いつの間にやら、水上さんの手を自分の秘所に導いていた。



「………」

「怒ってる……けど、も、無理。我慢、できな」

「……うん。分かってる。ごめんね。意地悪した。思ってないよ。あんなこと。飛翠は優しいし、そんな壁、ぶち破ればいいって今日、思ったし」



何故、“今日”?


聞く手前、ショーツの上、水上さんの指が滑る。



「ぁああッ!!」

「杏ちゃんのその“好き”は飛翠にだけ、あげればいいよ」



その声音はいつもの水上さんに戻っていて。


秘所を撫ぜる手も、確実に刺激を与えながらも優しい。


でも、その優しさは今は要らないと感じてしまう。



だって、早く、イきたい……



気持ちは行動に出、足を擦り合わせる。


水上さんはそれに気付いたのか。


ぐっと強めに指を押し当てたかと思えば、そのまま上から下へ指を滑らした。


ショーツの上からだと言うのに、ぐちゅぅと音を立て、



「ッ……!!!………」



私を絶頂に誘った。


その後、水上さんの言葉通り、意識を手放す前。


微かに聞こえた水上さんの声。



「酔っていてもはっきりと告げられるなら、杏ちゃん、それは本物だよ。本物の気持ちなら」




「飛翠にしっかり伝わると思うよ」




それは、暗に告白しろ、と言っているのだろうか。


もう、この気持ちを持ってはいけないもの、悪いものなんて、思わなくていいって。


真相を聞くべく、開こうとした口は開いてはくれず。


真相は謎のまま、私は夢の中へ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ