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斉藤太一です

第10章 斉藤太一さんですか?

しっかりと

封のされた
その手紙は


とても
かわいらしい
封筒だけど


少し


くたびれていた







僕は


カウンターの中から
ハサミを取り出し

そのハサミを持って
靴を脱ぎ



店の奥の
小さな休憩室に
入った




畳の上に
正座をして



封筒の
端っこを
慎重にハサミで切り落とす







ただ
それだけなのに





もう




僕の目からは
涙が流れ落ちていた

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