
いつか手をつないで歩こう
第11章 雨
次の日。仕事が終わってロビーから外へ出る前に、私は思い出した。
叔母にお礼の電話を、まだしていなかったのだ。
私はベンチに腰掛け、携帯を取り出した。
「あのもしもし、美雪です。はい‥…先日は遠い所、ありがとうございました」
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その後叔母から聞かされたのは…。
「えっ!それはどういうこと、ですか?」
きのう浩輔が聞いた話だった。
外へ出ると、ポツポツと雨が降り始めている。
浩輔が変だった理由がわかった。
浩輔
就職が決まったら、私達が別々に暮らすと
叔母さんに約束したって本当?
どうして反対しなかったの……?
