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いつか手をつないで歩こう

第14章 それでも


そして、微笑みを浮かべながら静かに話し始めた。


「里沙たちが来る前に、どうしても言っておきたくて」

「なに?」

「浩輔さん。この一週間私の傍にいてくれて、ほんとにありがとう…」

「…」

「私はずっと、自分を騙して生きてきたの。自分さえ黙っていれば、家族はみんな幸せに暮らしていけるって…思っていたから。
でももう、いい子でいるのはやめることにする」

「まなちゃん」

「パパに何もかも話すわ。私負けたくないの、あんな奴に」

「そう…よく決心したね」

「ええ…もう大丈夫です。
それから。浩輔さんを、大切な人から引き離してしまったことを…心から謝ります」

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