
いつか手をつないで歩こう
第14章 それでも
「そうだ」
『それで、まなちゃんと付き合う気なのか?』
「いや、そうじゃない」
『浩輔、何があった?
俺に隠すな。シスコンのおまえが姉さんほったらかして、女の子んちに転がり込むなんて考えられん。
今から里沙とそっちへ行く』
「はっ?いいよ来なくて」
『おまえにまなちゃんを会わせたのは俺だし』
「来ないでくれ。彼女は……具合が悪いんだよ」
『だから行くんだっ!』
はぁー。
電話を切った後、俺はため息を漏らした。
すると
「浩輔さん…」
いつの間にか目を覚ましたまなが、不安そうに俺を見つめていた。
「孝宏が心配してかけてきた。後で里沙ちゃんと来るって。
まなちゃん。二人にお兄さんとのこと、話してもいいかな…?」
まなは、こくりと頷いた。
