Love Song ~キミに捧げる歌~
第4章 それから…
~Takanori Side~
…恋歌ちゃんが亡くなってから、もう約1週間が経つ…。
この間に起きた出来事を、俺はあまり覚えてはいない…。
多分、愛する人を目の前で失ったショックから来てるのだろうけど…。
…それに、最近はずっと、恋歌ちゃんと過ごした楽しかった日々や時間を夢で見ては思い出し、「彼女がもういない」と実感しては苦しむ、という日々を送っていた。
…ここ最近の事で、俺が唯一覚えているのは、恋歌ちゃんの形見のピアスとネックレスを彼女のご両親に頂いた、という事だけ。
俺は、もう精神がボロボロだった。
―それから、約1年…。
俺は、部活や勉強に打ち込み、すっかりとあの悲しかった出来事を忘れてしまっていた。
最近、ダンスも始め、とても楽しく、充実した日々を送っていた。
…でも、どうしても気になる事が、1つだけ…。
「このピアスとネックレス、いつ買った?」
当時、記憶を失っていた俺は、そう言った疑問を持ちながらも、毎日そのアクセサリーを着け続けていた。
…何で、早くに気が付かなかったのだろう…?
…と、今となっては思うけど。