Love Song ~キミに捧げる歌~
第1章 運命の出逢い
~Takanori Side~
「剛典~、部活やるぞ~。」
「ああ、うん!」
そうして、いつもの楽しい時間が始まった。
…最近、変わった事と言えば…。
校庭から見える、大きい病院。
そこから、大人っぽい女の子がこっちを見ていることぐらいかな。
その子の事は、部活の中では勿論、学校でもちょっとした話題になっている。
部活の時間に、こっちを見てニコニコしている彼女を見ていると、こっちまで笑顔になる。
…俺は、いつの間にか、彼女に惹かれていた。
「一度でいいから会ってみたい」とか、「彼女と一緒に喋ってみたい」とか思う様になった。
…そんな矢先の事だった。
俺は、とある事故に巻き込まれ、入院をする事になった。
しかも、あの女の子と一緒の病院に。
…俺は、入院の準備を手伝ってくれた看護師さんに、思い切って彼女の事を聞いてみた。
「あの、すみません…。」
「どうしたの? どこか痛い?」
「あ、いや…。 あの、聞きたい事があって…。」
「何かな?」
「あの、いつも外を見ている女の子、いませんか?」
「えっ? …あ~。」
看護師さんは少し考えた後、すぐに分かったのか、教えてくれた。