恋愛妄想短編集【完】
第4章 若き好奇心 [完]
「ヒロくーん!!」
「あ、カオルちゃん!」
「ちゃんじゃないってばー!僕男の子だよ?」
「いーの!今日もいっぱい遊ぼ!」
「うんっ!」
どこにでもある従兄弟同士の可愛らしい会話。
それを見ているだけで、なんだか微笑ましく思う。
ーーーー…
先ほどヒロと呼ばれていたのが12歳の小学6年生。
そして、カオルと呼ばれていたのは9歳の小学3年生。
カオルは女の子ではないけれど、その可愛らしい名前に見合ったその見た目のせいか、ちゃん付がよく似合う。
そのためみんなからは「カオルちゃん」と呼ばれているようだ。
「ヒロくん、今日はなにして遊ぶのー?」
「んー…じゃあ、宝物探ししよ!」
カオルの言葉に少し考えてから、顔に笑みを浮かべて答えた。
家の中で宝探しなんて、一体なにを宝と判定するのか。
「それじゃあ、よーいどんっていったら探しにいくんだよ。見つけたらここの部屋に戻ってね」
「わかった!」
「よし!それじゃいくよ!」
よーい、どん!
子供達のゲームがスタートした。