恋愛妄想短編集【完】
第4章 若き好奇心 [完]
ーー10分後…
「あった!これは宝物だよね!」
そう声をあげたのはカオル。
「ヒロくーん!!宝物あったー!!みてみて!!」
さきに決めた集合場所なんて知ったこっちゃないとヒロのいる場所を探す。
ガチャーーー
近くにある扉を片っ端から開けて、ついに広を見つけ出した。
「あっ、ヒロくん!…ここ、ヒロくんのパパのお部屋?」
ヒロを見つけ出したカオルは、嬉しさに体を弾ませながらヒロの元へかけて行く。
途中にヒロの父親の趣味の釣り道具やらなんやらを見つけ、続けて言葉を発したのだ。
カオルの声に反応したヒロは、カオルの方に顔を向けたかと思うと、すぐにニヤッと悪戯っ子の笑みを浮かべた。
「カオルちゃん、これ見て」
「なにー?ヒロくんも宝物見つけたの?僕も見つけたよ!」
「僕のは不思議な力のあるお宝みたい」
そう言われ見せてもらったものはーーー…
「…なに?これ。男の人と女の人の本?なにしてるの?女の人、何だか苦しそう」
「だけど、気持ちいいって書いてあるよ?」
2人でまじまじと、いわゆる成人向けの雑誌を見つめながら話す。
歳のせいか、反応が新鮮だ。
このまま宝探しも終わるのだろう。
と、誰もが思うはずだ。