恋愛妄想短編集【完】
第1章 近すぎた想い [完]
タケルは少しアキから離れ、ズボンのポケットからコンドームを出し、つける。
「…なんで今それ持ってんの!?」
「あー、いつか我慢できなくなったらあぶねーなと思って、お前に会う時は持ち歩くようにしてた」
おかしなことを言われ、少し余裕が出始めたアキ。
そんなアキの足を掴み大きく広げ、一気に自分のもので突き上げた。
「ぁああぁあ!!ふっ…かい、もう少しゆっくり…!」
「油断してるからだ!つーか、ここまできてっ、待てるかよっ!」
もはや喘ぐことしかできないアキに、タケルは激しく腰を打ち付ける。
「はっ…おま、締めんなっ」
「むりぃ!!だって、も、イっ!!」
「俺も、結構やっばい…っ」
二人とも限界が近づき、タケルは腰の動きをさらに激しくした。
もうなにも考えられないほどアキは乱れていた。
「タ、ケルっ!もう、イっちゃ…!!」
「イけっ…俺、も、…いく!!」
「あっ、あ、んぁっ…あぁあああっーーーーー!!」
「くっ…は、」
二人は同時に絶頂を迎え、アキは余韻に浸りながら流れる精液をコンドーム越しに感じていた。
タケルは物を抜くと、アキに覆いかぶさり…
「俺が好きなの、お前だから」
そうつぶやくと、触れるだけの優しいキスを落とした。
「なにそれ…順番おかしい」
「ははっ、なに?俺のこと嫌いになった?」
おどけたように言うタケルに、正直どう返事をしていいのかわからなかった。
今までそんな対象に見てきたことはなかったから。
でも、これだけは言える…
「嫌い…なわけないじゃん」
嫌いじゃないのだから、想いなんてこれから突いてくるような気がする。
今日一日で散々掻き乱されたけど、なんだか悪い気がしないから、これで良しとしよう。
「それなら、これから好きになってくれたらいい。もっと気持ち良くしてやるから」
「ふふっ、楽しみにしとく」
冷やしすぎた部屋の中で、二人は裸のまま、相手の存在を確かめるかのように抱き合った。
END