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美保のプリズム

第1章 空想と現実

それから、美保に不思議な出来事が起きるようになりました。
底が破れて穴の空いた靴が次の日には綺麗に穴がふさがったり、幼稚園の頃から使っているクレパスが短くなって、書き辛かったのが新品になったりと、不思議な出来事が続きました。
美保はその度に魔法の女神様、ありがとうとお礼を言いました。

美保はその、魔法の女神様に会ってみたいと思うようになりました。
会ってちゃんとお礼が言いたいと願いました。

ある夜更け。美保は夢を見ました。
キラキラ眩しくて目が開けられません。そこで、美保は目を覚ましました。
ムクッと起きて、ボンヤリしてると天井から光が差し込んで、七色の光がゆらゆら綺麗です。
弟は、横でぐっすり寝ています。
どこかから、声が聞こえてきました。
「美保ちゃん。手を広げてごらんなさい。」
美保は両手をくっつけて、広げました。
すると、美保の手の上が輝き小さなお人形が現れました。お人形だと思ったら背中の羽を広げて話出しました。「美保ちゃん、こんばんは。私は女神じゃないけど、魔法を使える小人です。」美保は驚きました。
「あ!あの、あのね、ずっとお礼が言いたかったの。小人さん、いつもありがとうね。美保、すっごく嬉しいよ。」「美保ちゃんはいい子だから、ご褒美したんですよ。これからもお父さん、お母さん、弟と仲良くね。」そう言って、小人は消えてしまいました。
「夢みたい…。」そう言って、美保は寝てしまいました。

朝、起きると美保の手がキラキラ光っていました。
「お母さん!女神様じゃなくて、小人が来てくれたよ!ほら、私の手が光ってるでしょ?」
母親は美保の手を見て「綺麗ね。小人さん来てくれたのね。良かったわね。」と微笑みました。

その日の夜、美保は手を合わせて祈りました。
「小人さん、お願いします。また来て下さい。」
そうすると、また天井からにじ色の光が差し込んできました。
美保は手を広げて待っていました。
やがて、小人が姿を現しました。
「美保ちゃん、こんばんは。」
美保は真面目な顔になり、必死に訴えました。
「美保、もう小人さんに充分良くしてもらったから、美保はもういいの。それより、小人さん。お母さんの病気を治して下さい。美保のお願いはそれだけ。お願いします。」小人は「そうなのね。もう美保ちゃんに魔法をかけられないけど、いい?」美保は大きくうなずきました。「わかったわ。

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