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終わりのない片想い

第2章 ラブストーリーは突然に

忘れもしない初対面。
職場はよくあるダイニングバー

ある日事務所のドアを開けると
こちらに背を向け不機嫌そうにパソコンに向かう
ガタイのいい金髪髭面の見知らぬ男がいた。

「お、おはようございます」
「ん。」

全く振り向かずに相槌を打ってきた
この時思った事、ハッキリ覚えてる

(怖い。この人に逆らったら殺される…)

私は音を立てず隅のイスにそろっと腰をかけた。

朝礼でやっと自己紹介をした。
私は入って間も無いスタッフで
太郎さんは別の店舗に出張していて戻って来たとのこと。

初めての一緒の勤務は怒られないようにビビりながら
真面目に一生懸命働いた。

そしてこの後から私の長い片想いが始まる

閉店後の終礼の時、みんなの前で
太郎さんが私の事を笑顔で褒めた

私は予想外の出来事で顔が真っ赤になった

今まで褒められた事もなかったので
嬉しいのと恥ずかしいので泣きそうにもなった

何より太郎さんの笑顔にキュンとした

まさにギャップに萌えた

そこから急激に太郎さんと仲良くなった

仕事終わりに必ず仮眠をとる太郎さんを
起こす役目は私だった

お店を出たら松屋に行くのが定番だった
落ち込む事があったらかつ屋のカツ丼だった
出勤前に買い出しに行ったりもした
仕事中は目と目で通じ合うほどお互いの考えていることは同じだった


夢のような時間だった
そんな時間が永遠に続くものだと思っていた




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