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KAGO

第2章 思い出のN町

「勇ちゃんって…」
「いやぁ、通ううちにファンになっちゃって」

鼻の下を伸ばしながら、勇也は夏奈子さんと話し始めた。


(下手すりゃ親と同い年だぞ…しかも人妻)


僕は半分呆れながら、駄菓子の棚を物色していた。



「戻ってきたんか」

突然声をかけられドキッとする。
振り返ると、いつの間にか背後に駄菓子屋のばあちゃんが立っていた。

「あ…はい。僕のこと覚えててくれたんですね」
「わしは人の顔は忘れん」


(僕ってそんなに変わらないのかな…)


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