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KAGO

第4章 誘惑

目を細めると、


「!」


唇に柔らかい感触がした。
突然のことで避ける余裕がなかった。



「手伝ってくれた、お礼よ」

夏奈子さんは唇を離した後、耳元で囁きながら僕の手を握った。


「フフッ…送っていくわ」

「…」


僕は素直に車に乗り込んだ。
キスされたことよりも、早くこの場所から逃げたかった。



2階の窓から、誰かが僕たちを見下ろしているとも知らずに…。


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