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KAGO

第4章 誘惑

「夏奈子さん…今までどこに行ってたんですか!」
「遅くなってごめんね。常連さんと話してたら夢中になっちゃった」
「どこで…話してたんですか」

僕の問いに夏奈子さんはフフッと笑う。

「なぁに? どうしてそんな怯えた顔をしてるの?」

「……」


やっぱり何か変だ。
この町も、人も…。



「かわいいわね…あの子が気に入るのも……」

夏奈子さんの言葉を遮るかのように、突風が吹いて木々を揺らす。


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