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KAGO

第5章 告白

僕の心臓が激しく脈を打ち出した。
苦しくて、うまく息ができない。

優雅で綺麗で……
だけど激しさを秘めている。


ピアノを弾く七瀬美景の姿は、どこか乾いているようだった。



「どうしたの? 圭介…具合悪いの?」

美咲の言葉でピアノが鳴り止む。


「なんでも……ない……」

胸を押さえてる僕の方に、七瀬美景がゆっくりと振り向いた。


「彼は私の音が気に入らないみたい」


無表情でそう言うと、七瀬美景は音楽室を出て行った。


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