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KAGO

第7章 正体

ザアアアアアアッ


激しい雨の音で、僕は我に返った。


「太一……木村、太一……」


そうだ、思い出した。
なぜ今まで太一の存在を忘れていたんだ。
殺された木村先輩は、『先輩』じゃない。

あの、太一だ。



太一も勇也も…
奴に殺されたのか?



「くそっ…!」

僕は地面を睨んだ。



太一は保健室で殺され、勇也は駄菓子屋で殺された……

犯人はあの洋館に住む男に違いない。
夏奈子さんとあの男は通じあっていたんだ。

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