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KAGO

第7章 正体

(僕の思い違いだったのかな…)


「変なこと聞いてごめ…」
「近づいてきたのは、あなたたちの方じゃない」

「…え?」


(今、なんて言った?)


七瀬美景は無表情で僕をじっと見据えてきた。


「あなたの仲間が、私を襲ったのよ」


!?


(なにを言ってるんだ?)


言葉を出せないでいると、美景が再び話し始めた。


「あの時あなたたちは私の部屋に入り、しばらく演奏を聴いていた。
だけど木村太一が、突然私を襲ってきた」

「なっ…」

「あなたと芦屋勇也は逃げたのよ、彼を置いて」

「!!」

「…だから、父様が敵を打ってくれたの」


ニヤリ、と七瀬美景は笑った。

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