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KAGO

第7章 正体

「あれ、おかしいな。みんな帰ったのかな?」

音楽室には誰もいなかった。
薄暗い部屋の中に足を踏み入れると、


ポーン…


ピアノの鍵盤を叩く音がした。


誰か、いる。



「…何の用?」

女性の声が響いた。


校庭にある外の電灯が点くと、部屋の中が少し明るくなった。

七瀬美景の姿がはっきり見える。



「君に聞きたいことがあるんだ」

「…」

「僕のこと、覚えてない?」

「…」

「昔ある洋館で、君がピアノを弾いている姿を見たことがあるんだけど…
あれは君なのかな?」

「…」


七瀬美景は答える様子がない。

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